2018年12月9日日曜日

親子の考えが変わったCoderDojo

この記事は、CoderDojoアドベントカレンダー9日目の記事です。

https://adventar.org/calendars/2955

■このエントリで書くこと
CoderDojoを知る経緯は人それぞれで、知った後に参加した人、参加しようか悩む人、あるいは悩んだ結果やめてしまった人もいると思います。
我が家は色々と悩みがあり、それを解決したいけどどうしたものか…と悩んでいたところ、CoderDojoに出会い、参加し、とても良かったと感じているのですが、もし同じような事で悩んでいる人がいて、迷ってしまっているのであれば「こういう人もいるんだよ」という参考になればなと思っています。
参加する事で何かが変わるかもしれませんし、悩んだ結果で折角の機会を失ってほしくないので、前に進むためのきっかけになればと書いてみた次第です。

■CoderDojoに参加したきっかけ
そもそも私と長男氏がCoderDojo参加したきっかけは、プログラミングに興味があったからとか、義務教育になるから勉強としてとか、そういった意識が高い系の理由ではありません。
どこにでもある小学校に普通に通っていた長男氏が、ある時期を境に勉強やスポーツが辛いと感じてしまうようになり、色々なことに後ろ向きな姿勢を持ってしまっていたのがきっかけです。
正直言うと親としては、学校に行きたがらない・勉強をしたがらない子供を見て「なんでサボるのだ」と考えてしまった時期もあり、その時はキツく注意をしてしまったりしていました。
ですが実際はそんな単純なものではなく、子供なりに苦しんでいたのだと理解できるようになったのは大分後になってからの事でした。

そのあたりの事が少しずつ分かってからは、色々なことに前向きになれないという事は仕方がないと思えるようになりました。
ですがそれでもやはり何かに興味を持って欲しいなあという思いもありました。
とはいえ無理に押し付けても良くないし、待つしか無いものかという悶々とした日々を過ごしていたのです。
そんなある日、長男氏は子供らしくゲームには夢中になっていたのですが、どこで知ったのか「Minecraft」をやりたいと言い出しました。
まあ買ってやるかと思ったものの、家庭用のゲーム機版では色々と制約がある事と、Modと呼ばれる拡張ができるのがパソコン版だけであったため、とりあえず私のパソコンを貸してやらせてみる事にしたのです。
すると拙い手付きではありましたが、ゲームをやりたい一心からか、それなりにキーボードやマウスを使えるようになってきました(虚仮の一念なんとやら)
ある日、そんな長男氏の姿を見た妻が「パソコンの勉強会とかあったら興味もたないかな」と言い出しました。
なるほど確かにタイピングくらいは出来るようになったし、簡単な検索くらいなら自分でやっているし良いかもしれないと思ったのですが、そう都合よく勉強会があるものかととりあえずGoogle先生に質問をしてみると、なんと意外と近場で見つかったのです。
それが CoderDojo長津田 でした。

■CoderDojoに参加してみて
結論から言いますと、参加するようになってからは子供が徐々に前向きにものを考えられるようになってきました。
その大きな要因としては、今までは「こうしなさい」とか「これを目標にしなさい」といった勉強をしてきたり、親の期待値と実態のギャップがあったのですが、CoderDojoに参加するようになってから、その教え方と環境が大きく変わったためだと思います。

・コミュニケーションの場
CoderDojoは塾や学校のように教えてくれるわけでも無いですし、逆に場所だけ貸して放置というわけでもありません。
自分が興味を持っていることを自分で考えるように促し、わからない事があれば教えてあげる、そんな環境がありました。
参加者同士のコミュニケーションを程よくとりながら、ニンジャ同士で教え合ったり、一緒に来ている親たちも交えて考えたりします。
積極的には関わらず黙々とやる子もいますが、それはそれでまた良しというような場なので、気兼ねなく参加できます。
長男氏も最初は戸惑っていたものの、その距離感に慣れてきたらしく、自分のペースでコミュニケーションをとるようになりました。

・ゴールが無い
Dojo次第ではありますが、基本的に「これを完成させなさい」というゴールがありません。
やっている内容もScratchだけでなく、Minecraftやロボット、中にはPythonと言ったプログラミング言語の勉強など様々です。
Scratchであれば、こんな事ができるよというようなサンプルをお手本として出したりすることもありますが、お手本通りに作るも良いですし、動きを変えてみる、色を変えてみる、音を鳴らしてみるといった変化をつけてみるのもいいでしょう。
もちろん他のものを作っても大丈夫で、Scratchだけでなく、Minecraftで家を作ってみたり、ロボットを動かしてみるのもアリです。
やりたいと思った事がゴールで良かったのです。
更にいえば飽きたら飽きたでよく、やってみたいと思うことに変えればいいので、ゴールは常に変化していきます。
決められたものをただやるのではなく、自分でゴールを決める、という事が大事なのだなと思いました。

・出来た成果を喜ぶ
ゴールが無いので、成果も様々です。
お手本通りに作ろうとして途中で終わってしまった子もいれば、一人でスマホアプリを作り上げてしまう子もいます。
ですが、それを比較して評価をするようなことはありません。
長男氏も、最初はScratch自体がよくわからず始めたため、お手本通りに作る途中で終わってしまいましたが、みんなの前で発表をしたところ「ここは頑張ったね」とか「何も知らなかったのにここまで出来たことは凄いね!」などと褒めて頂き、皆の前で発表をし、拍手をしてもらえました。
子どもたちと共に考え、作り、その成果を喜びあうことが出来たのです。

そういった場が長男氏にはあっていたのでしょう、今では他の子に教えたり、お手本がなくても自分で考えて作ったりするようになってきました。
折角なので、子供用に専用のノートPCを買って上げたところ、家でも思い出したように引っ張り出してはパソコンをいじっています。
(Youtubeを見はじめてしまうこともしばしばですが…)
私も以前は親として「こうなって欲しかったのに」という過度な期待をもち「うまくいかない」という不安で自分で作り出してしまっていました。
ですが、今では少しずつ自分たちにあったペースで考えられるようになったかなと思います。

そんなこんなで、今でも悩み事はありますが、しかし長男氏と共に私も考え方が大きく変わってきました。
CoderDojoはそんな事を教えてくれました。
もちろん、チャンピオンの方の人柄や、一緒に参加した子どもたちとのコミュニケーションなどがあってこそだと思いますが、参加してみようと思わなければ、その出会いすらなかったでしょう。
上記したようにCoderDojoはいい意味で緩く、参加のハードルは高くありません。
もしCoderDojoで悩んでいるなら「そういえば、そんな事を言っている人がいたな」と思い出して頂き、一歩前に進めるきっかけになればと思います。

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